プレイスメイキングを成功させるためのポイント
「とりあえずやってみる」が合い言葉のプレイスメイキング。一見ゆるやかな概念を、確実に成功に導くためのポイントをご紹介します。
定性的な目標設定を仮説として立てる
例えばその場所で起こるアクティビティの多様性と種類、利用者層の構成、嗜好や属性など、精緻な数値よりも定性的な目標を掲げることが大事です。ただし、目標はあくまで仮説として設定されるもの。その後の検証と調整の積み重ねが必要です。
「何をやるか」以前に「なぜやるか」
なぜそのアクティビティ群がそれだけ必要か?なぜ利用者の老若男女の割合がそうあるべきか?場所が持続可能な状態で利用され続ける状況を、計画策定に関わる全員で想定し、共有しましょう。
「とりあえずやってみる」
1、2をしっかり行って初めて『とりあえずやってみよう』の段階に取り掛かることができます。
仮説を振り返り、次につなげる
『やったことをよし』とするだけでは、結果として計画の継続性が薄くなってしまいます。『計画→実行』ではなく『計画→実験→検証→改善』のサイクルを重ねることを忘れずに。
使い手が手を加えて初めて完成するのを待つ
完成を100%だとしたら、8-9割にとどめて場所を使いはじめましょう。その場所で人が過ごした時にとる行動、例えば花を植える、期間限定の活動を行うなど、使い手が『自分でカスタマイズして自分の空間にしている』という感覚を持てる余白、設計者も意図しない偶発性が生まれることが大事です。
ここだけは気をつけよう
計画の有効性は実施して初めて分かるもの。しかし机上の議論だけで計画と予算を同時に組んだ結果、完成後に需要とのミスマッチが起きて後戻りできない…という結末を迎える可能性も考えられます。ミニマムからスタートして、自由に変更が効くプレイスメイキングは、街の身の丈にあった現実的な計画をつくる時に有効です。